欣喜雀躍
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傍らでマルコさんにのされているサッチにお悔やみ申し上げながら、前に視線を向けると、いつの間にか肉を頬張りながら僕を見ているエースが居た。
『うわっ!!』
「肉食ってるか肉!!」
ずい、と片手に持った肉を差し出してくる。
いやそれよりも突然の顔に驚き過ぎてそれどころじゃない。
『び、ビックリした…』
「ん?スマネェ。肉食うか?」
『あくまでもお肉は差し出してくるんだ…ありがとう』
漫画でよく見る形の肉を受け取る。
一度食べてはみたかった。
がぷ、とかじりつき、噛みちぎる。
味付けされた肉の程よい塩味と、ジューシーに焼かれた皮の香ばしさが口いっぱいに広がって、たまらなく美味しい。これはハマる。
『おいしい!!』
「そーかそーか、そいつァ良かった」
にしし、と笑いながら、エースの方ももう片方の手に持っていた肉にかぶりついた。
お肉が似合う。
「主役がこんな端っこでいーの?」
「おわっ、ハルタ」
後ろからエースの肩を組んで現れたのは、12番隊隊長ハルタ。
「確か…ケイだよね?俺ハルタ、よろしく」
『よろしく、…お願いします!』
「水臭いな~、敬語なんて使わないでいいよ!それよりもさ、主役なんだからもっと真ん中くれば?」
『ヒェッ!!』
そう言うとハルタは僕の右腕を掴み、ぐいっと引っ張り上げ、宴の中心部へと連れて行こうとする。
その勢いに流され立ち上がり、不意の事だったので足が絡まらないように必死に着いていく。
「連れてきたよー」
『あわわ…』
腕を引かれるまま、真ん中の方まで来てしまった。
ハルタの一声により、周囲の視線が全て僕に注がれる。正直怖い。
『あ、えと…』
「さっき名前だけだったしさ、何か聞かせてよ。ケイのこと」
隣に並ぶハルタが気を利かせてくれたのか、ほら、と促してくれる。
確かに先ほど宴の準備が終わり、いざ始まるとなった時軽く自己紹介したが、そのまま(どちらかと言えば周りが)勢いでどんちゃん騒ぎにまでなだれ込んでいった為、僕の事は名前以外まだこれっぽっちも知られていない。
大勢の、しかも屈強な方々に囲まれて、緊張しない方がおかしいというか、そもそも足がすくみそうだ。
生まれたての子鹿になりかけている足に鞭を打ち、意を決して口を開く。
『え、と…秋月螢です!ケイと呼んでください!よろしく、お願いします…!』
「…それじゃさっきと同じじゃん…」
依然として隣に居てくれるハルタが、呆れたように苦笑する。
あ、あれぇ?