断じて行えば鬼神も之を避く
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おまけ
「そういや俺…お前に名前教えたっけかよい?」
引っ込んでいた汗が再度溢れ出る。
気をつけていたのに、そういえばさっきどさくさに紛れて名前を呼んでしまったかもしれない。
『ヘ、ヘァ……え、と…他の皆さんが呼んでましたし、オヤジも呼んでたので、つい僕も呼んでしまいました…すみませ、…』
自然な言い訳を捻り出せたと思う。
僕の言い分を聞いて納得してくれたのか、マルコさんはなるほどな、と小さく漏らした。
「じゃあ、ま、名前は知ってるだろうが、俺はマルコ。ここの1番隊隊長だよい」
『はい!よろしくお願いします!』
「おっ!お前、オヤジから許可貰ったのか?」
快活な声が聞こえる。
自己紹介真っ只中な僕ら二人を発見するや否や、眩しいくらいの笑顔で近付いてきたのはエース。
『うん!!…っあ、いや、はい!!』
つい友達感覚で返事をしてしまった。
いくらフレンドリーとはいえ、実際彼も年上だ。
生意気な口を聞いては、何か気分を損なうかもしれない。
「水臭ェな、別に敬語なんて使わなくていいよ。俺はエース、お前は?」
__というのは杞憂だったようで。
『あ、えと、僕は秋月螢、よろしくエース!』
「おうっ!」
爽やかな笑顔を向けられた僕の頭の片隅では、本当にこの船に乗って良かったな、なんて考えていた。