千載一遇
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さて、疑問が確信に変わったところで、一旦状況の整理をする。
まず僕は放課後勉強しようと思い、図書室へと向かっていた。
図書室は1階、僕の教室は3階。
下りるの面倒臭いなーと思いつつ、2階、そして1階への階段へと到達した。
そこで事件は起こったはずだ。
何かに引っかかったか、何も無いのに躓いたか(多分後者だろう)、僕は階段のかなり上の方から転がり落ちた。
そこから記憶が無い。
__そして今に至る。
これが、頭を打った事によって僕がおかしくなったか、本人そっくりのコスプレイヤーさん&本物の声優さんによる超絶贅沢なサプライズでも無い限り、現実の事なのだろう。
「一回喋ったと思ったらまただんまりかよい……いい加減白状したらどうだぃ?」
『…白状………?って、…何をですか…?』
先程から眠たそうな目をしながら、僕に話しかけるこの独特な髪型の人。
きっと白ひげ海賊団の1番隊隊長のマルコさんなんだろう。
正直生のパイナップルヘアーには感激した。
「何をって…お前がここに何しに来たかだよぃ。どうせオヤジの首でも取ろうとしたんだろうが、…生憎それは俺達が許さねえよい」
すっと目を細め、まるで僕に釘を刺すかのように声のトーンを下げながら告げる。
場に少しピリッとした空気が漂った。
…オヤジの 首 を 取 る ?
何を誤解しているのか分からないが、さすがにそんな物騒な事はしないし出来ないし、まずしようとも思わない。
というより、そんな大それた理由と共にここに居る訳ではない。
「しっかしお前も度胸あるよな。いきなり甲板に来るなんてよ。しかも着いて早々気絶してるし。つか、どうやって来たんだ…?俺が気付いた時には、もう居たよな…」
もしかしてお前バカだけど強いのか?、としゃがんで僕に目線を合わせながら、そばかすのある顔を爽やかな笑みで埋めるこの人。
きっと2番隊隊長の火拳のエースなんだろう。
漫画と寸分違わず、イケメンでしかない。
『……あの…僕ってどんな感じに、ここに来たんですかね…?』
僕の記憶は階段を落ちた所で終わってる為、そこから先は分からない。
僕がどのようにしてここに来たのか、来てからどれくらい時間が経っているのか…。
そして、…。
「ああ、それなら俺ちょうど見たから分かるぜ」
そう言ったのは、立派なリーゼントを携えた気さくなこの人。
きっと4番隊隊長のサッチなんだろう。
本編ではあまり活躍がなかったが、意外と優しそうな方である。
「つい10分くらい前の事だな。そこでぼーっとしてたら、ちょうどお前が居る場所のちょっと上の空間がぐんにゃり歪んだわけよ。そしたら空間裂けて、お前がボトリ。手品でも見てる気分だったぜ」
「空間移動能力か?そりゃすげェ」
「まあ気絶してりゃ意味無えがな」
少々理解が追いつかないが、とりあえずは情報を手にいれた。
つまり僕は階段から落ちたと思ったら、そこに何らかの力が加わって、ここにポトリと召喚されたわけである。
もしやあの階段の落ちた先に異世界へと繋ぐゲートがあったのか、それとも僕には空間移動能力があったのか。
それともそれとも僕は選ばれし人間なのか。
きっと後者二つは絶対に無いだろう。
それに加え、僕はこの世界へ来てからまだ10分しか経ってないという情報も手に入った。
何時間もの長い間気絶していたわけではないようだ。
なるほど。