失業保険貰い尽くした生保レディ

灼熱

2018/07/18 14:45
梅雨が明けてからと言うもの、太陽が猛威を奮っている。
私の会社は事務所以外、クーラーの効きが非常に悪い。
建築ミスレベルで西陽は全て、大きなガラス窓によって館内へ吸収されている。
私は今そのガラス窓の横、ドアの開閉が激しい場所でお客様の対応をしている。
暑くて死亡するレベルだ。事務所のやつらの涼しそうな顔。思考回路はショート寸前。
休憩室に戻り、数年前から冷凍されている棒突きアイスを二本手に取った私は、おもむろにそれを脇へ挟んだ。
どこを冷やせばいいのかは、これからの時期よく覚えておいたほうがいいだろう。
脇の下、首筋、足の付け根である。
脇の下が冷えることによって徐々に体の熱が抜けていく。袋の中のアイスが液体へと変わっていった。


「………」


思考回路が徐々に戻ってきた。
手元には、茶色い袋が二つ。この物体はそう、チョコレートアイスだったのだ。
私は席を立った。



もう二本、休憩室にアイスを取りに行くために。

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