君の願い

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あと少し…


あと…ほんの少し…




『…ん…仁…』



「ッ!!」



香笑の寝言に俺はハッと我にかえった



俺…今…バカなことしようとした………



結局俺は綺麗な人間なんかじゃなくて…欲のままに生きてるんだ…


俺はその場に座り込んだ



最低だ…



香笑は赤西のことがすきなんだってわかってんのに…



『じ…ん………』


また香笑は寝言で赤西の名前を呼んだ




「…明日…赤西をここにつれてくっから」



だから…もう安心して寝とけ






俺は寝室を離れた







過ちをおかす前で良かった



それが唯一の救いだった






香笑の願いを叶えることによって


俺の過ちは拭われることができるんだろうか…??







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