君の願い







部屋について香笑の様子を見に行った




香笑の顔色は大分よくなったみたいだった





ぬるくなったタオルを俺はまた洗面所に行って濡らした




今日は起きなさそう…



気持ちよさそうに寝てる香笑の額にタオルを置く



『んー』




少しうなった香笑の頭を撫でた







俺たちの出会いは大学が始まって間もなくて


気がついたら俺は香笑に夢中で



俺の目はいつも香笑を追っていたんだ





恋愛ごっこも擬似恋愛もしないって言ったそばから香笑に出会ってしまった



だから俺は恋愛面に関してはかなり疎くなっていた



香笑のことが気になるのは…気のせいだって…自分に言い聞かせてた





思えばあれは…




俺の一目惚れだったんだ









こんなに近くにいるのに…どうして手に入らないんだろう



どうして香笑は…赤西をすきになってしまったんだ…??



力づくだったら…俺のものにするのは簡単なのに…



俺は寝ている香笑にそっと顔を近づけた






その唇も簡単に奪える、と



俺の中の感情が勝手に行動へと変えた




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