君の願い










『あ…あのぉ…となり…いいですか??』





授業が始まる約五分前



その子が俺に声をかけてきたのは突然だった





「あぁ…いいけど」



俺がそう返事をすると


その子はパァッと笑顔になった




『ありがとうございますっ!!開いてる席がなくて困ってたんです』



頭をペコッと下げてその子は席に座った










新しい環境で過ごす一年生


みんな最初はやる気があって…




それから怠ける奴は怠けて


頑張る奴は頑張る




でも俺は…と言うと



あんまりその新鮮さに興味がなくて


正直やる気がなかった






『もう大学には慣れましたか??』


「ん…あぁ…高校ん時とあんま変わんねぇし」



となりの席…だからと言ってまさか話し掛けられるとは思ってなかった俺は腑抜けた言い方になった


『そうですか
私はなんだか上手くやってけるのかが不安で…』



少し笑って見せたその子はすぐにノートやら筆記用具やらを用意しだした



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