君の願い
ハッと目を覚ますと授業が終わっていた
あれ、俺起こしてって言ったのにな
なんて思いながらとなりにいるはずの香笑を見る
「って寝てるし」
長い授業に飽きたのか、力尽きたのか
香笑はスヤスヤと夢の中だった
仁「かーめー」
授業が終わり、俺らを迎えに来た赤西は寝てる香笑を見てプッと笑った
仁「えっ寝てんの??」
「あぁ」
香笑の寝顔を確認した赤西は俺にまたやり切れない表情を見せた
仁「………俺、香笑に告白されてさ…」
「…」
仁「友達からって…言っちゃった」
赤西があの時言おうとしてたこと
仁「俺は避けてるつもりだったんだけどな…」
赤西が香笑を避ける…??
「なんで…」
仁「前言ってた元カノに似てるって子…この子なんだ」
それは俺にとっては衝撃的な発言だった
「全然似てねぇじゃん」
仁「俺には…そう見える」
赤西が香笑を避けてた
よく考えればあの日、帰りの電車には香笑が乗っていた
切なそうな顔をパッと戻した赤西は
香笑を揺さぶって起こした
少し赤西のことがわからなくなった
避けてた女と一緒にいたって苦しいのは赤西なのに…
≪友達≫だと言って笑顔で接してる
そんなの俺には、マネできない…
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