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和「…敏子」



『か…ずや??』



小さく聞こえた私を呼ぶ声に顔を上げた



屋上のドアには人影



涙で視界はぼやけててもそれは和也だとはっきりわかった



仁「…亀??」


仁は私をそっと離してドアのほうを見た




仁に抱きしめられてたところを見られてしまった…


ズキズキと心が荒む



和也は表情一つ変えずに私たちに向かって歩いてくる



和「敏子…行こ」


私に微笑みかけた和也は手を差し延べた


『………』



私は無言で和也の手を掴んだ


和「よくこんなさみーとこにいたな」


立ち上がり地に足が着いたかと思うと


和也は優しく…でも強引に私の手を引き校舎に向かって歩きだした


和「風邪引くなよ」



和也は優しいから…


私は和也に甘えてる




仁「亀…甘えられてるって…わかってんだろ??」



仁は後ろ姿の和也にこう言い放った


仁の言葉はいつも重い


でも…いっつもストレートな言葉なんだ




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