『たいしたことじゃないんだけど…』


私はまた屋上にいた


仁「…うん」


≪ここじゃ話できないなら…場所変えたっていいから≫


仁がこうやって言ってくれたから



『私……不安になっちゃった』



フェンスをつかんで
グラウンドを見下ろした



仁のほうを見なかったのは

仁の反応が怖かったから



仁「不安…??」



『………それだけだから
気にしないで…』



たいしたことないよ…


すぐなおる…


不安なんて



すぐ忘れるよ



仁「いつになったら
そうやって弱み見せんのかなって思ってた」



『え…??』


仁の意外な言葉

仁のほうを見た


風がフワッと吹いて

仁の顔が隠れてる

だから表情が読み取れない


仁「強くなくったって…いいんだ」



また風が吹いた


『……』


仁の表情


なんで…そんなに辛そうな顔してるの??




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