『た…立ち乗りでもよかったのに…』


このドキドキに耐えられないよ…



「だって…パンツ見えちゃうじゃん」



『み…見えるの!?』


「見えちゃうの
ちょっと風でも吹けば丸見えだからね」



『仁…ありがと』



わざわざ気づかってくれたんだ…



「いえいえ…
それに…あ…やっぱいいや」



『な…何??』



「なんにもないー
それより陽奈の家はどこらへん??」



いたずらっぽく彼は話をそらす



『仁ー!!
何言いかけたの!?』


家がどのへんとかも大事だけど…


気になるじゃん!!



「言いたくないッ!!
だって絶対に陽奈ひくもん!!」


彼はなかなか折れない



『ひかないよ!!』

仁は意地っ張りだけど
私も負けらんない



「じゃあ…
絶対ひくなよ!?」


折れたのは彼のほうだった


『うん』



「なんつーか…ほら…
陽奈が俺に密着してるから…
胸が…当たってるわけですよ…」


ごにょごにょと声を濁らせる仁



『えぇ!?』


仁の言葉にびっくりした私は手を離しそうになった



「離すなよ!!
落ちるじゃん!!
だから…ひくっつったじゃんかぁ…」


彼は私の手を強くつかんだ



『だ…だって…』


だって仁…

む…胸が

って言った!!



「俺だって健全な男の子なんだよ…」

開き直る彼



少し照れた声で言われて

それがなんか可愛いなって思ったら

失礼かもだけど

私は笑いをがまんできなかった




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