チャラ男と私
「手伝うよ、それ」
「………え??」
亀梨君は私の手から名簿をするりと抜き取った
「あ…ありがと」
「どういたしまして」
また、フッと笑った亀梨君は名簿に目を落として作業を始めた
ヤバい…ちょっと、キュンってした………
恋をするならこの人かもしれない…
「仁の奴、白石に迷惑掛けてるみたいじゃん」
作業の手を休めずに亀梨君は言った
「…まぁ、見ての通りだよね」
奴のことを思い出すだけで腹が立つ
「あいつ、いっつもあんなんでさ、女にはだらしねぇし、すぐ騒いだりすっけど…ホントはいい奴なんだ」
「………それ、私に言ってどうするの??」
「別に??ただの世間話…あと忠告…仁はいい奴だけど、すきになっちゃいけないタイプだから」
亀梨君が何を言いたいのかがわからなかった
だけど…
「ないよ、そんなの…すきになんてならないよ」
それは私の中では確かだった
あんな、チャラくて誰にでもカワイイとか言う人
すきなんかじゃないもん
でも亀梨君は、
「わかんねーよ、どうなるかなんて」
そう言ってまた笑ったんだ
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