チャラ男と私
「白石………」
私の名前を呼んだ赤西は、大きな深呼吸をした
「俺も、すきだよ」
「……………」
嘘、だと思った
だけど赤西は俯きながら本当に照れたように言うから、私は信じざるを得なかった
「赤西…………顔、見せて」
「やだよ、今ぜってー顔赤い」
「赤西…かわいい」
私がこう言うと、赤西は顔を上げた
むすっとした顔をしてる
「勝手に空回りして俺マジだっせー!!」
「そんなこと…ないよ」
なんだか悔しがってる赤西がかわいくて、私は赤西の髪に触れた
「白石…」
私の名前を呼んだ赤西はさっきまでの悔しがってた顔じゃなかった
「もっかいキスしてい??」
上から目線、挑発的な
「…やめて、ムカつく」
そう言ったはずのに
チュ━
その瞬間に赤西の唇が私の唇に重なった
私はそっと目を閉じた
夕日が差し込む教室で、何度も何度もキスをした
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