チャラ男と私
「…なに言ってんだよ白石」
やっと目が合ったのに
赤西の目は鋭く私を睨んでいた
「私は…ただ本当のことを言っただけ」
赤西が怖い
やっぱり私、赤西をすきになっちゃいけなかったのかな…??
「そんなん言われたら俺…」
赤西のネクタイを掴んでいた右手がふっと軽くなった
「もう自分を抑えらんないじゃん」
それと同時に
赤西が私に顔を近づけてるのがわかった
「っ…あかに…ッ」
チュ━
私の言葉は、赤西の唇によってさえぎられた
「………」
赤西にキス、されてる
「白石、ごめん…」
そっと唇を離した赤西はそうつぶやいた
どうして、謝るんだろう
どうしてそんなに思い詰めた顔をしてるんだろう
その赤西の言葉にどう反応していいかわからず、ずっと掴んでた彼のネクタイを離した
かなりの力で握っていたためか、ネクタイにはシワがついていた
私はただ、それを呆然と眺めていた
赤西のふにふにとした唇の感覚がまだ、はっきりと残っている
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