チャラ男と私
「亀梨君、あのね…」
席について亀梨君と向き合った
「……………」
彼にはちゃんと伝えなきゃ…って思ってるのになかなか言葉が出てこない
「すきになったんだろ??あいつのこと…」
「………………うん」
私が吃ってると、待ちくたびれたのか亀梨君に核心を突かれた
素直に頷くと、亀梨君はふぅ、と一息ついた
赤西をすきになっちゃいけないと言ったのは彼
なのに、すきになってしまった私
後ろめたい気持ちは、もちろんある
咄嗟に怒られると思った私は俯いた
「そうなるだろうと思ってた」
「え…??」
想像してたこととちがった彼の反応に顔を上げた
亀梨君は何かを諦めたようにフッと私に笑顔を見せた
「俺が忠告しても、しなくても、白石は多分、仁をすきになるんだろうなって、思ってたよ」
意外な彼の言葉は、私の頭では処理でききれない
「あいつをすきになっちゃいけない理由、教えてなかったよな」
まだ頭はこんがらがっているものの、私はとりあえず頷いた
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