チャラ男と私
「ま、いいけど」
そう言って体制を戻した彼はいつものようにフッと笑った
何か言わなきゃ
そう思っても亀梨君を前にしたら全て見透かされてるようで、下手に言葉を発することができなかった
「白石!!今から頭髪検査だから準備すっぞ!!」
赤西は廊下からそう叫んできた
「わかったー」
ちょっと助かった…亀梨君の威圧から解放される
「行ってくるね」
私はそうとだけ言って、赤西の元へ向かった
検査に必要なものを生徒会室から運ぶ
これも室長の仕事だなんて…室長じゃなくていっそ雑用って名前にすればいいのに
「えーっと、あといるものはクラスの名簿だけだよね…あ、先生も呼んでこなきゃダメなのか」
「なぁ白石…」
「………ん??」
廊下で突然、赤西は足を止めた
以前、室長会議が終わったとき
赤西に迫られたのを瞬時に思い出して、私は無意識に身構えた
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