チャラ男と私








赤西に手を引っ張られて私は腰を上げた




「ありがと」



「うん」





何を思ったのか、赤西は私の手を離さないまま歩き出した




「ちょ…」




突然のことで私の足はもつれて、赤西に引っ張れるがままに前に進んだ





「赤西…離してよ」





これじゃ…まるで付き合ってるみたいいじゃんか………




「なんで??」



「なんでって…デートじゃないんだから…ね??」



そう言うと赤西はゆっくりと私の手を離した




「今日のところは勘弁してあげるよ」




なんだかよく分からないけど、赤西は勝ち誇ったような笑顔でそう言った




「今日のところはって何よ」











わかんないよ、赤西の考えてること…




赤西はただの女たらし…なのに




なんでこんなに動揺してしまうんだろう…




白石だから………




そう、言われたからなのかな…??






もうあまり深く考えないでおこう…



だって、赤西が言ったことだよ??




本気にしてしまったら、いけないような気がした










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