未来彼氏、
『………』
彼が静かに涙を流す姿はとても綺麗に見えて私は少しの間、言葉を失ってしまった
『…ねぇ…誰なの??』
どうやら私に危害を加えるつもりはないみたい
疑問だけが頭の中で膨らむ
なんで私の名前を知ってるの
どうして…泣いてるの??
「………和也」
『カズヤ…??』
自分の記憶力はそう悪くもないはずだ
でもその名前は聞いたこともない
「そっか…だから夢裕もあのとき泣いてたんだ」
≪和也≫と名乗る彼は涙を拭いて小さく笑った
『………』
わかんない、一体この人はどこからやってきたんだろう
「………うっ…」
私が彼に動きを止められたままでいると
彼は突然頭を押さえて倒れ込んだ