未来彼氏、
『うーっ!!』
ボタボタと涙が落ちて拭っても意味がないくらいだった
「と、とにかく!!ここじゃ場所が悪いからどっかに行こうよ」
『へぁっ??』
和也はまわりの様子をうかがって私の手を引いて歩き出した
突然与えられた驚きで私は正気に戻る
『………ごめっ…なさ…い、私…急にっ…』
久しぶりに和也の温もりを感じた
「うん、大丈夫だよ」
急に知らない奴に名前を呼ばれて
泣き叫ばれて
迷惑なはずなのに
「どう??大丈夫??ちょっとは落ち着いた??」
和也は私を突き放そうとはしなかった
「このへんってなんかあったかなぁ…」
それがなんだか嬉しくて涙がまた込み上げてきて
でもやっぱり私にとってこの二年間はすごく長かったから
少しワガママ言いたくなって…
『和也、私…最近できた駅前のモツ鍋屋に行きたい…』
小さな声でそうお願いしてみた
ずっとずっと私は夢を見てたから…
和也は驚いたように目を丸くした
でもそのあとブハッと笑いながら
「いいよ」
こうやって言ってくれた
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