四ツ谷

四ツ谷






13班の3人は、四ツ谷に来ていた。

帝竜の居場所を確定するための機械を設置する任務を受けたはいいものの、今までとは違った雰囲気に、早くも3人は怖気づいていた。


普段と比べて会話数がめっきり減った空気に耐えきれなくなったのか、ロザリーが口を開く。



「……何か、ホラー映画の世界みたいだね。今にも何か出そうで」



骨のような形の橋に、大量の墓標。鼻に付く、何かが腐ったような独特の臭い。
灯りというと、時々見える青白い光か、月明かりくらいで。手に持った小型の懐中電灯が切れてしまえば、途端に視界は狭まってしまうだろう。



「……ね、ぇ、二人とも」



かすれ気味の声。
一瞬、誰の声か分からず振り返ったセージは、その声がクーのものだと瞬時に理解する。

クーは、今にも泣きそうな表情で、その場に立ち止まっていた。



「おれ、も、無理……。帰ろうよ、……っ」



クーは両手を力強く握りしめた。
普段の元気の良さは一切感じられず、体は小刻みに震えているのが見て分かる。


しかし、ロザリーは同情する様子を見せることなく、首を横に振った。
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