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お揃いの幸せ

その指輪を右手の手中に収めると、今度は空いた手でセージの左手首を掴んだ。


「っ、ちょ、……クー!」


突然の行動に驚いたセージは、思わず左手を引こうとする。
しかし、クーの怪力に敵うはずがない。

クーは多少苦戦しながらも、セージの左手の手袋を外し、そのまま大雑把に床に落とした。
ぱさり、と布の落ちる控え目な音が耳まで届く。


「俺、セージとお揃いの何か欲しいな、って思って。
でも、俺、持ってるやつでお揃いに出来るの、思いつかなくって」


クーは、指輪を右手に持つと、セージの人差し指から順番に指輪をはめていく。


「で、俺ね、……あ、これはさっき思いついたんだけど。
あのさ、指輪だったら2つ持ってるし、これならお揃いに出来るかな! って思――……あ! ここ、ぴったり!」


指輪は、セージの左手薬指におさまった。
それを見たクーは、満足そうに笑う。そして、自身の指に残っていた指輪を、自身の薬指にはめた。


「だからこれ、俺とのお揃いね!」

「……」


セージは、己の左手の薬指にはめられた銀色の指輪に視線を落とす。
指輪は、部屋の蛍光灯の光を反射し、キラキラと光っていた。






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タイトル提供元お題サイト様
まったり屋ポレポーレ。

2019.1.26 旧サイトより移動
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