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お揃いの幸せ

お揃いの幸せ






クーは、仲良くなるとすぐにスキンシップをしたがる癖があった。
また、デストロイヤーとしての能力のせいだろうか。抱き着くにしても、手を繋ぐにしても、力のコントロールが上手く出来ず、相手から怒られることもよくあった。

甘えたがりで。何らかの形で怒られると、心から反省する。
そんな彼を、周りは口をそろえて「犬」に例える。



「セージっ!」

「っ、……何だ? クー」


後ろからクーが抱きついてきた衝撃に、一瞬息が詰まる。
しかしセージは、特に気に留めることもなく、後ろを振り返った。

会った時は、セージの方が身長は上だったのだが、いつの間にかクーに身長を越されてしまった。
今では、頭一つ分の差が出来ているため、セージは必然的にクーを見上げるような姿勢になる。

クーは、セージと目が合うと嬉しそうに笑った。



「おれ、セージにあげたいものがあるんだ!」



体制を変えずに、自身の手にはめてある指輪の1つを抜き取る。
銀色のシンプルな指輪は、ムラクモ選抜試験の日から、彼がずっと付けているアクセサリーでもあった。
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