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sky full of stars

sky full of stars






「――綺麗だ」


夜空を見上げるセージの口から、真っ白な息が吐き出される。
屋上は、とても冷え込んでいた。


深い意味は無いが、何だか急に夜空が見たくなった。
セージは簡単な羽織を手に持つと、皆が寝静まった時間帯ではあるが、一人屋上へと向かった。


夜空には、満点、とは言い難いが、幾つか星が輝いている。

皮肉にも、街から灯りが消えたことにより、初めて都内に来た夜――試験の前日に見た夜空より、一層星が輝いて見えた。



無言で夜空を見上げている時。
ふと後ろから足音が聞えた。

コツコツと響く独特の音に、セージは振り返る。



「……ロザリー。起きたのか」

「セージが、どっか行くの気付いちゃってね。ついてきたんだ」



いつものパジャマの上にコートを羽織ったロザリーは、セージの隣に座る。



「何してたの?」

「星を見ていた」

「星?」



ロザリーは夜空を見上げた。



「……ボクの住んでた所よりは見えないね」

「ロザリーの住んでいた所では、もっと凄かったのか?」

「まぁね。満天の星空ってやつさ。
ドラゴン全部倒したら、セージを連れて行ってあげるよ」

「それは楽しみだな」



上機嫌に体を揺らしながら、ロザリーは笑った。





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2013.03.16 タイトルを「夜空」から「sky full of stars」に変更
2019.1.26 旧サイトより移動
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