大好き‼︎
大好き!!
「リーダー! リーダーって、おれとロザ、どっちが好き?」
ここはムラクモ13班の自室。
部屋に備え付けられた簡易キッチンで、今日の当番であるセージは夜ご飯を作っていた。
和食が好きなセージは、作るものも和食が多い。
火にかけられた鍋には、煮物が入っていた。先程、魔物を討伐して手に入れた貴重な食料が入っている。
「そんなこと急に言われてもな」
苦笑するセージに、クーは再度食いつく。
「ねえ、どっちが好き? おれ?」
「……クーも好きだよ」
キラキラと瞳を輝かせていたクーは、その返事に少し頬を膨らませた。
その様子に、ロザリーが得意そうに微笑む。
「ほら、ボクの言った通りだろう? セージは優しいから、二人とも好きとしか答えないさ」
「でも、リーダーは猫より犬が好きなんだ。
リーダーは、ロザのことは猫っぽいって言ったけど、おれのことは犬っぽいって言ってくれたし!
イコール、ロザより俺の方が好きだって!」
「何を言ってるんだい? セージが和菓子大好きなのはクーちゃんも知ってるだろう?
しかも、あんこは粒あんが好きなんだ。ボクは粒あんが好き。クーちゃんはこしあんが好き。
イコール、セージはボクの方が好きに決まってるさ!」
「うー、何だよー! それは無理矢理じゃないかー!」
「自称犬っぽいには言われたくないね」
「自称天才のくせに!」
「自称じゃないよ。本当にボクは天才だからね」
急に言い合いを始めた二人に、セージは大きく咳払いをする。
それを合図に、二人は黙り込んだ。
「……とりあえず、夜ご飯にしようか」
「はーい」
「分かったよ」
仕方なく、と言わんばかりに、二人は食事の準備を始める。
食事当番の人は食事だけを作り、それ以外の人が準備と片付けをする。これは、自炊をし始めてから自然と出来た13班のルールだった。
「じゃあおれら、配給んとこでご飯貰ってくるね!」
「この間みたいに走ってこけないでよ? 一緒に居るボクの方が恥ずかしくてたまらないよ」
「あれは! おれが悪いんじゃなくて、この服の裾が――」
クーとロザリーが扉を閉めた音を合図に、セージは小さく息を吐いた。
セージの頬は、誰が見ても分かるほど、朱色に染まっていた。
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2019.1.26 旧サイトより移動
「リーダー! リーダーって、おれとロザ、どっちが好き?」
ここはムラクモ13班の自室。
部屋に備え付けられた簡易キッチンで、今日の当番であるセージは夜ご飯を作っていた。
和食が好きなセージは、作るものも和食が多い。
火にかけられた鍋には、煮物が入っていた。先程、魔物を討伐して手に入れた貴重な食料が入っている。
「そんなこと急に言われてもな」
苦笑するセージに、クーは再度食いつく。
「ねえ、どっちが好き? おれ?」
「……クーも好きだよ」
キラキラと瞳を輝かせていたクーは、その返事に少し頬を膨らませた。
その様子に、ロザリーが得意そうに微笑む。
「ほら、ボクの言った通りだろう? セージは優しいから、二人とも好きとしか答えないさ」
「でも、リーダーは猫より犬が好きなんだ。
リーダーは、ロザのことは猫っぽいって言ったけど、おれのことは犬っぽいって言ってくれたし!
イコール、ロザより俺の方が好きだって!」
「何を言ってるんだい? セージが和菓子大好きなのはクーちゃんも知ってるだろう?
しかも、あんこは粒あんが好きなんだ。ボクは粒あんが好き。クーちゃんはこしあんが好き。
イコール、セージはボクの方が好きに決まってるさ!」
「うー、何だよー! それは無理矢理じゃないかー!」
「自称犬っぽいには言われたくないね」
「自称天才のくせに!」
「自称じゃないよ。本当にボクは天才だからね」
急に言い合いを始めた二人に、セージは大きく咳払いをする。
それを合図に、二人は黙り込んだ。
「……とりあえず、夜ご飯にしようか」
「はーい」
「分かったよ」
仕方なく、と言わんばかりに、二人は食事の準備を始める。
食事当番の人は食事だけを作り、それ以外の人が準備と片付けをする。これは、自炊をし始めてから自然と出来た13班のルールだった。
「じゃあおれら、配給んとこでご飯貰ってくるね!」
「この間みたいに走ってこけないでよ? 一緒に居るボクの方が恥ずかしくてたまらないよ」
「あれは! おれが悪いんじゃなくて、この服の裾が――」
クーとロザリーが扉を閉めた音を合図に、セージは小さく息を吐いた。
セージの頬は、誰が見ても分かるほど、朱色に染まっていた。
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