朝ご飯を食べて、真新しい制服を着て、身だしなみを整えて耳に大粒のピアスをつけて準備は完了だ。火の元をちゃんと閉めたか確認、戸締りをしっかりして鍵をかけて家を出た。


「いってきます。」


一人暮らしだから誰かに言ったわけではないが、気合を入れるためにつぶやいた。

今日から晴れて私は雄英高校の一年生だ。



クラスは1-A。バカでかいドアに手をかけて中に入るとすでに結構人がいた。出席番号は7番。自分の席を確認して席に着くと左隣の人が話しかけてきた。


「ねえ、あんたの苗字なんて読むの？ちなみにあたしは耳郎　響香っていうの。よろしくね。」
「かきょういんって読むんだ。なかなかいない苗字だから。耳郎っていう苗字も初めて聞いた。私は花京院　蝶。よろしく。」


そうやってお互いの苗字の話で少し盛り上がっているといきなり低い声が響いた。


「お友達ごっこがしたいのなら他所へ行け。ここは…ヒーロー科だぞ。」


パッと声の方向を見ると寝袋に入った男の人が10秒飯を勢いよく吸っていた。寝袋から出て立ち上がると静かになるまで何秒かかったか、合理性に欠くなど色々と注意された。たしかに10秒飯は合理性の塊だ、などと思ったがさすがにあの速さで吸うのはどうかと思う。


「担任の相澤　消太だ、よろしくね。」


そういった相澤先生はこれから体力テストを行うので体操着を着てグラウンドに集合と言って体操着を配り始めた。耳郎と目配せで会話をしながら体操着を受け取って更衣室へと向かった。