「いや…もういい。
休むよ。」
「でも…」
「知ってる？
こう言う諺があるんだ。
『一に看病、二に薬』って…
あやかが元気になるまで
ずっとそばにいるよ。」
優しく微笑んで見つめる薄茶の瞳。

きらきらと輝いた表情。

「ほんと？」
「あぁ、本当だ。
だから…ゆっくり休むんだよ。」
こつんとくっつけた額。

明らかに高い体温。

ちくちくと痛む胸。

「うん。」
「はい。ゼリー。」
「ありがと…」
グラスとスプーンを受け取り

ゼリーを口に運ぶあやか。

見開かれた瞳。

「どう？」
「すごいおいしー…
つめたくてきもちいい。」
「そうか…良かった。」
そっとベッドに腰掛けて撫でる薄茶の髪。

ゆっくりと減っていく透明なゼリー。

不意に響いたノックの音。

「涼介様っ
あやか様はっ？
だっ大丈夫ですかっ！？」
必死な声。

「よしえちゃんだ…」
ドアに目をやる女神。

「入っていいぞ。」
「しっ失礼します！
あっあやか様！
お体の具合はっ」
「だいじょうぶ…
ゼリーおいしーよ。」
「そんなっ
ぜっゼリーならいくらでもお作りします！」
あやかに駆け寄るよしえ。

驚きを隠せない涼介。