「武田さん、史浩さん。」
「ん？」
「全部…教えて下さい。
俺、頑張ります。」
決意を込めた熱い声。

涼介を見つめる２人。

「初めての…自分の車なんです。
大切にしていきます。」
じっとＦＣを見つめたまま
ゆっくりと話す涼介。

目を合わせる武田と史浩。

「宣誓書は必要なさそうだな。」
「そうですね。」
交わす笑顔。

「宣誓書？」
「武王の客には必ず書かせてんだ。
車を大切にしねぇ奴のために仕事するほど暇じゃねぇしな。」
「あ…会員制で一年待ちらしいですね。」
沈んだ表情。

そんな涼介の肩に乗せられた史浩の手。

「これは俺の趣味だよ。
君は客じゃない。」
「武王に必要なのは熱意だからな。
特例も多いんだ。」
「いいですよね？」
「あぁ。
それにこんなＦＣを他に回すなんて
もったいない真似は出来ねぇしな。」
にっこりと笑った武王の社長。

「ありがとうございます！」
深々と下げる頭。

「まずは慣らしを兼ねて
この辺を一周してみようか？」
「はい。」
ＦＣに乗り込む史浩と涼介。

「気を付けてな～っ」
送り出した白。


高橋涼介

不思議な子だ…

大物になりそうだぜ。

楽しみが増えたな。