「こんなにおっきいベンツ
僕ちん初めて見たよ～」
「兄ちゃんもお小遣い
たくさんもらってるんだろうねぇ？」
「そんな事はありません。」
きっぱりと言った涼介。

「そんな怖い顔すんなって…」
「そうだよ。
言う事をきいてくれれば
痛くしないからさ。」
近付く３人。
なれなれしく肩に手を置く男。

「あなた方の言う事をきくつもりはありません。」
「なんだと？」
「待て…コイツ…見たことある。
高橋啓介の兄貴じゃねぇ？」
「あっあの高橋啓介の兄貴！？」
慌てて肩の手をどけた男。
ため息をつく涼介。


その時

不意に聞こえた声。


「おいコラ！
何やってんだっ！？」


どくんとはじけるように動いた心臓。

背中に感じる存在感。

初めての感覚に驚く涼介。

「女神…」

目の前の男が呟く。

見開かれた瞳。


「ゲストにちょっかい出してんじゃねーぞ！
お前らドコのチームだ？」

近付いてくる甘い声。

異常に高鳴る胸。

ゆっくりと振り返った涼介。



ライトを受けてキラキラと輝く薄茶の髪。


長いまつげ。


吸い込まれるような薄茶の瞳。


やわらかそうな薄紅色の唇。


冷たい不敵な笑み。