『あやかはっ
あなたを待ってます！』
「それは…お前の想像だろう。」
『違うっ！』
柄にもない強い否定。
また揺れる心臓。
息をのんだ白い彗星。



『あやかがっ

あなたを呼んだんです。』


涙にかすれた声。

顔を上げる涼介。

見開かれた切れ長の瞳。


「あやかが…

俺を…？」


『気を失う直前に…

こう…言ったって…

『助けて涼介さん』って…』


「嘘だ…そんなはず」


『本当ですっ！』



涼介の声をさえぎる叫びにも似た声。



『あやかが待ってるのは…

俺でも…

たくみって奴でもないっ

涼介さんなんだ！』



前回のように泣き出したワタル。


じわじわと熱くなる胸。


手を伸ばし握りしめたキーケース。



「どこの病院だ？

今すぐ行く。」



決意を込めた熱い声。

サラサラとメモする名前。

電話を切ると部屋を飛び出す涼介。



あやか…


本当に


俺を呼んだのか？



俺を


呼んでくれたのか？



夢のような事実。

体中に広がる喜び。

溢れ出す熱い涙。

涼介の気持ちに答えるかのように駆け出すＦＣ。