「お前の負けだ！」
「まだだ！
次は俺が先に行く！」
怒鳴った京一。
食い下がる涼介。

「なんだと？」
「大差は付かなかった。
俺を抜いたらお前の勝ちだ。」
呟き睨む切れ長の瞳。
鼻で笑ったタオルの男。

「天下の白い彗星が情けないな。」
「ここはお前のホームだ。
このくらいハンデにもならないだろ？」
蔑むような眼差し。
すかさず返した笑み。

「フン！いいぜ。
ぶち抜いてやる。」
吐き捨てるように言って乗り込む黒。
大きなため息をついた白い彗星。


ふぅ

集中しなければ…


チャンスは何度もあった。


考え過ぎだ。


先行ならあれこれ考えずに済むだろう。


らしくないな…


だが


負けるわけにはいかない！


動き出した白と黒。
１人残された長髪。

「高橋涼介に抜かれなかったのか。
すげえけど…卑怯だ。」
感心とも驚きともつかぬ声。
遠ざかって行く２つの爆音。


このまま京一の計画通りになるのか？


うーん…

なんだかいやーな予感がすんだよな。


うまくいくわけねえって…


でも

あやかが前みたいにしょっちゅう来てくれたら…

嬉しいんだけどな。