「あんなこと言って…
大丈夫なのか？」
「何がだ？」
「いつでも自分のものになるとか…」
じろりと見上げる鋭い瞳。
びくびくと話す長髪の男。

「ああでも言わなきゃ本気にしねぇだろ。」
「な…なんだ。
やっぱり脅しか…」
「脅しじゃねぇ！
ココできっちり涼介に勝ってあやかにいいとこ見せれば
俺にもチャンスがあるはずだ。」
にやりと笑った京一。

「チャンス？
あるとは思えねぇけど…」
「なんだと！？」
「京一はあの２人が一緒にいるのを見たことねぇから
そんなことが言えるんだ。
一度あの２人が２人でいるとこ見れば」
「２人２人ってうるせぇよ！
あやかは誰かとセットじゃなきゃ動けねぇような
ヤワな女じゃねぇ！」
力説する清次を黙らせた迫力。
脳裏に焼き付いた薄茶の瞳。

「そりゃ分かってるけどよ…」
ごにょごにょと口の中に消える声。
思い出す嬉しそうな笑顔。


「やっぱり楽しい！
いろは坂ってジェットコースターみたいっ
たかにーは行くなって言ってたけど
こっそり来ちゃいました～！」
風になびくさらさらの薄茶の髪。
細い足首を際だたせるピンヒール。
美しい足を遠慮なく晒すミニスカート。

思い出して赤く染まった２人の頬。