「せっかくだしバトルしたいけど
アライメントおかしいんじゃ話にならないな。」
「そうですね…
ちょっと違和感あります。」
苦笑したあやか。
俯いた北村。

「じゃあ…
俺とバトルはどうですか？女神。」
「涼介さん…」
にっこりと笑った白い彗星。
きらきらと輝いた薄茶の瞳。

「久しぶりなんだから２人で走って来いよ。」
笑顔で言う弟。
頷いた北村。

「じゃあ…２人で走ろ！」
涼介の腕に絡み付いた細い腕。
立ちのぼる甘い香りを吸い込む涼介。

「あ…あやかさんっ
コイツどーします？」
不意に聞こえた声。

「もうどーでもいい～」
振り返らずに進むピンヒール。
ひらひらと振られる派手な爪。
残された２人と倒れている男。

「ふぅ…一件落着か？」
「そっすね。」
２人そろって取り出すタバコ。

「う…いてて…」
背後からのうめき声。
瞬時に光った冷たい瞳。

「気が付いたか？」
「えっ…うわっ」
腫れ上がった顔。
覗き込む北村。

「すいませんっ
許して下さいっ！」
「うるせぇ。黙れ。
高橋涼介には女神がついてる。
Ｄの後ろにはレッドウィンズがいる。
よく覚えとけ。」
先程とは違う低い声。
息をのんだ啓介。


ホント二重人格じゃねぇかよ…

レッドウィンズ恐るべし！


「わっ分かりましたっ」
「もうてめぇに用はねぇ。
消えろ。」
「はっはいっ！
失礼しますぅ！！」
紫煙と共に吐き捨てる言葉。
這いつくばって逃げ出す男。

「おとなしくなりますかね？」
「個人情報おさえてるから
何かしやがったらすぐ叩く。」
「そ…そっすか…」
淡々と語る５人衆の一人。
苦笑いでタバコを吸う啓介。

「まぁレッドウィンズの事を知れば
Ｄに手を出そうとは思わねぇだろ。」
にやりと笑った北村。
寒気を感じた背中。



真っ黒な空に

心地良いロータリーサウンドが２つ

木霊していた。



→オマケです。