ホント…

なんも変わんねえな。


手が震える。


これが

武者震いってやつか？



ちらりと目をやる紅子。
センターラインに立つ慎吾。
ゆっくりと撫でたステアリング。



Ｒも喜んでやがる…


お前も

女神を待ってたんだな。


分かるぜ。

今夜は楽しもう。



にやりと笑って踏み込む右足。
答えるように吠えた紅子。

「いいかぁっ？
カウントダウン行くぜぇっ！」
叫んだ慎吾。
わき起こった歓声。
右手を突き上げた中里。
振り上げた大きな手のひら。


静まり返る一同。

ごくりとのんだ息。

競い合うようなオーラ。


「５…４…３…２…１…いっけぇっ！」
勢いよく下げた手。
同時に吠えた２台。

「中里さぁん！」
「頑張れっ」
「女神はえぇ！」
「よーしっ
先手を取ったぜ！」
思わずガッツポーズのトム。

騒ぐナイトキッズメンバー。

「やっぱり女神のが早いかぁ！」
「うるせぇっ
ここは俺たちのホームだぜ！？」
「負けるわけねぇよっ」
がやがやと交わされる会話。
消えて行くエキゾーストノート。

「コレ…
下はどうなってんの？」
不意に呟いたワタル。