「お前にはまだ分かんねぇか。
扱いにくいよ、あやかは。」
小さなため息と共に漏らす笑み。

「扱いにくいのに…
好きなんですか？」
眼鏡を直す中指。
とても真剣な表情。

「扱いにくいから
好きなんだよ。」
にやりと笑った武王の主任。
ハッとして赤くなった顔。

「あんなに面白くていい女…
他にいねぇからな。」
しみじみと呟いた声。
どこか嬉しそうな横顔。

「ワタルさん…」
「おっまた中里さんが困ってるぞ。
助けに行かねえとっ」
歩き出すワタル。
続く大河内。

「ナイトキッズのリーダーも
女神にはお手上げみたいですね。」
「そりゃあなんたって
俺たちみたいな扱いにくい男を束ねてる
レッドウィンズのリーダーだからな。」
「ははっ
そうですね。」
笑い合う２人。
不満そうな女神。

「いちいち怒るなよ。」
「いちいちって！？
毅こそいちいち怒らせないでよ！」
「悪かったって言ってるだろ。」
「もういいって言ってるじゃんっ」
ぽんぽんと交わされる言葉。

「でも結局
息はぴったりなんですね。」
「そうだな。」
小さく笑う男たち。
聞こえたスキール音。

「あっ帰って来た！」
「どっちが前だ？」
「あっ！」