「大輝はさ…似てるんだよね。
たかにーに…」
「えっ？」
「あっ見た目じゃないよ？
なんてゆーか…空気？
うーん…めぢからとゆーか…」
唇にあてた長い爪。
輝くラインストーン。
浮かぶギラギラした瞳。

「俺が？」
「うん。
トモちゃんも言ってたよ。
聞いたことない？」
「そんな…初めて聞いた。」
「そうなんだ…
たかにーは自分に似てるから
あんまり近寄りたくないって言ってたなぁ。」
ふっと笑ったあやか。
ちくりと痛む胸。

「近寄りたくない？」
「うん。
たぶん考えてることとか分かるから
イヤだって言ってたよ。」
返事も出来ずに俯いた大輝。
一歩、前に出た小さな体。
ガードレールに置く手。

「あたしも…
たかにーに似てるなって思って
気になってたの。
大輝のこと…」
「えっ？」
「たかにーってたまに
なに考えてるか分からない時があって…
大輝が分かるなら聞いてみたいなって
ずっと思ってたんだ。」
ゆっくりと振り返る薄茶の瞳。
背景の夜景に負けない美しさ。
黙ったまま見つめている大輝。

「ここ…
まだ涼介さんにも教えてないんだよ。」
「えっ？そうなのか？」
「うん。
なんか言いそびれちゃってて…」