「関係ないでしょう。
あやかは俺に会いに来たんです。」
「なんだと？」
睨みつけるような瞳。
ピリピリとひきつる空気。

「あなたは引っ込んでて下さい。」
「お前…」
「そうっ
あたしは大輝に会いに来たのです！」
「あやか！？」
ハッキリと言った女神。
大げさに目を見開いた男。

「ヒデちゃんは武王に行きなっ」
「あやか～！？」
「大輝っ行くよ！
ヒデちゃんはついてこないでよ！」
「あやか～っ」
「ばいばいっまたね！」
きっぱり言って乗り込む赤。
慌てて開けた愛車のドア。
ほぼ同時に吠えた２台。

「女神が出るぞ！」
「すっげぇスタートダッシュ！」
「かっけぇ～っ」
「いい赤だよなぁ…」
「今日来て良かったぁ！」
「やっぱり大黒に来れば紅子に会えるんだな！」
次々にあがる歓声。
遠ざかるエキゾースト。
１人でぽつんと残された男。

「あれが…赤城の白い彗星か？
あれ？
でも確か奴は白いＦＣのはず…」
傾げた首。
呟いた声。

「じゃあ…あれは誰なんだ？
顔もテクニックもなかなかだったな…
あやかとはどう言う関係なんだ？」
ぶつぶつと続く独り言。
ざわざわとうるさい人々。