「涼介さんは悪くないよ…
あたしが…勝手に嘘ついて…」
「違う。
俺も嘘をついてた…」
「えっ？」
まっすぐな薄茶の瞳。
こぼれ落ちていく涙。
潤んだ切れ長の瞳。

「俺も…すごく会いたかった。
平気なんかじゃなかったんだ…」
強く抱きしめた小さな体。
胸に広がっていく幸福感。

「でも…涼介さんは言ったじゃん。」
「えっ？」
「会いたい…って言ってくれたじゃん。
すごく…嬉しかった…」
溢れ出した涙。
抱き合う２人。

「あやか…愛してる。」
「うん…」
繋いだ唇。
重なる影。




そして


それ以後


涼介が忙しい時ほど


あやかが高橋邸にいる時間は増えた。


「あやかがいてくれた方が
打ち込める分、効率がいい。」


白い彗星は


そう微笑んでいたと言う。




→次はあとがき。