「もっもらった！？」
「だっ誰からっ！？」
交互に叫ぶ２人。

「俺だ。」
呟いた低い声。
投げ捨てたタバコ。

「たっ貴之が！？」
「だって女神はまだっ
えっ…いくつだっけ？」
ハッとしてあやかを見るトム。

「１２歳だよっ」
「じっじゅうにさい！？」
口をとがらせた女神。
またまたハモった２人。
耳に届いた帝王の舌打ち。

「いっいくらなんでも早すぎじゃねぇ？」
「うん…あやかはちび…
いやっ小柄だしよ…」
あたふたと泳ぐ視線。
女神の横に立つ帝王。

「お前らが心配する事じゃねぇ。
あやかには武王と俺がついてる。」
「だいじょぶだもんっ
ねーたかにーっ」
薄茶の髪を撫でる大きな手。
嬉しそうに見上げるあやか。
同じように奥歯を噛む２人。

「あっもしかして！」
「９時頃走ってたＦＤは…」
「あぁ、あやかだ。」
「め…めちゃくちゃ速かったって聞いたけど…」
「あぁ、速いな。
俺も驚いた。」
微笑んで見下ろす愛しい人。
にっこりと笑ったあやか。

「ぜってーユキの見間違いだと思ったのによー」
呟いたトム。

「まぁでも同じ色だし
間違える事もあるかもなぁ。」
並んだ白を見つめる智幸。