「でも…いくらなんでもちび過ぎる。
足…届かねえだろ…」
ふと呟いた武王の社長。

「確かに…あやかは小さいもんなぁ。」
「チャイルドシートでも付けるか？」
腕を組んだ帝王。
イスに座る政子。

「本当にあやかが乗るなら…
シート作るよ。」
「そうだな。頼む。」
真面目な顔で言った武田。
満足げに微笑んだ政子。

「そうだ！武田っ
あとさ…」
何かを思い出し
耳打ちする貴之。

「えぇっ
んな事したら…」
目を見開く武田。

「そうしなきゃ足とどかねぇだろ？」
「でも…えぇ～？」
「大丈夫だって！
初めて乗るんだから
こんなもんだと思うはずだ。」
納得がいかないと言う表情。
にやりと笑って叩く肩。

「それにしたって…」
「密かにユキも少しいじってあんだろ？」
「あ…うん。」
「俺が平気だったんだから
あやかは余裕で慣れるはずだ。
あやかはもう…ロータリーの呼吸を覚えてる。」
ギラギラと光る瞳。

「そうだろうけど…
うーん…」
「やるしかねぇだろ？
せっかくのスパルタンスポーツモデルなのに
アクセル全開できねぇなんて
いい笑いモノだぜ？」
武田の肩に回した太い腕。
口に手を当てて考える社長。