「売れる売れないはウチにゃ関係ないだろ。
早くて安定してりゃいい。」
「ははっ確かにね。」
冷たく言い放つ政子。
思わず笑った帝王。

「でっでもいくらなんでもあやかにはまだ」
「お前…俺には中２で運転させといて
今さら何いってんだよ。」
武田の言葉をさえぎる声。

「そっそれはっ
お前が乗りたがったからっ」
「あやかも乗りたがってる。
だからってユキには乗せらんねぇしな…」
「あんなじゃじゃ馬に
あやかを乗せるわけにはいかないだろ？」
「そりゃあっ
ユキは政子さん用に組んだし…」
立つ瀬のない武王の社長。

「そう考えると
俺はよく中２でユキ運転したと思わない？」
「あたしの教え方が良かったんだな。」
「教えって言うの？アレ…
事故ったら殺すって
どう考えても脅しじゃねぇ？」
漏れる苦笑。
黙ったままの武田。

「お前は筋が良かったからな。
運転なんて体で覚えるしかねぇんだよ。」
「そうだね。
おかげさまでこんなに上手になりました！」
おどけて笑う貴之。
満足げな顔の政子。

「だけど…
あやかにはきちんと教えてやれよ。」
「そのつもりだよ。
あやかも筋がいいしね。」
笑顔で頷き合う２人。