不安げな薄茶の瞳。

第２関節で止まった輝き。


「ど…どうしよう…」

力なく呟いた甘い声。

小さく笑った白い彗星。


「そっちじゃないって事か…」

「えっ？」

優しくつまんだ指輪。

不思議そうな顔の女神。


「そこに指輪をはめるなら

ちゃんとしないといけないね…」

手にした指輪を見つめる切れ長の瞳。


「な…なに？」

おびえたような薄茶の瞳。

じっと見上げる愛しい人。



「俺は

健やかなる時も

病める時も…

あやかを愛し続ける。」


「涼介さん…？」


「この…

指輪にかけて誓うよ。」


「あ…」


長い指が持ち上げた小さな手。


するりとはめられた指輪。



「いい？あやか…」


まっすぐな切れ長の瞳。


「うそ…」


「信じてくれないの？」


「だって…」


「いや？」


「だって…」


「だってじゃ分からないよ…」


俯いた女神。


覗きこむ涼介。


「だってぇっ」


泣き出したあやか。


薬指に輝く指輪。


「こんなのっ

信じられないもん…」


こぼれ落ちた雫。


優しく微笑む涼介。


そっと抱きしめた体。