「分かってないな…」

「なにが！？」

呟いた涼介。

とんがった唇。


「俺のような堅物には

あやかみたいに自由な子が合うんだ。」

「かたぶつ？」

「公道最速理論も

こうやって喧嘩した時も

俺のシュミレーションを遙かに越えて

驚かせてくれる。

そんな刺激的な女がいいんだ。」

「しげきてき？」

ますますとんがった唇。

小さく笑ってキスする涼介。


「俺には…

あやかしか似合わないよ。

こんなに…

誰かを愛しいと思った事はない。」

「涼介さん…」

「あやか…

愛してる。」

「うん…あたしも。」

重ねる唇。

絡み合う体温。

抱きしめ合う２人。


「でもあの広瀬さんって…」
言いかけた女神。
さらりと答える涼介。

「研究室の先輩だよ。
来月結婚するんだけど
マリッジブルーでね。
何が愛か分からないって言うから…
あやかならいい答えをくれそうな気がして…」
「だから会って欲しいって…」
くりくりと動く薄茶の瞳。

「うん。
ちゃんと伝えれば良かったね。
説明不足でごめん…」
「ううん！
あたしが早とちりなだけだよ！
ゆりちゃんの話とおんなじだったから…」