唇から全身に広がる快感。

こみ上げる愛おしさ。

何度も吸いつく涼介。


「や…んっ」

胸を押す小さな手。

ほのかに香る甘い匂い。

くらくらと喜びに痺れる頭。


「あやか。

俺の話を聞いて。」


離れた唇。

囁いた涼介。

黙りこむ女神。


「あやかは誤解してる。

確かに会って欲しいのは広瀬さんだ。

大学で見かけたのも彼女だろう。」

「見かけたんじゃないもん！

ＦＣに２人っきりだった！

しかもあの人っ

泣いてたじゃん！」

ぐいぐいと胸を押しながら叫んだあやか。

ハッとする白い彗星。


「あ…あの時か！」

「もうやだっ

涼介さんの話なんか聞きたくない！」

再び暴れ出した細い肩。

もう一度抱きしめる涼介。


「違うっ！誤解なんだ！

あやかは俺のこと信じられないのか！？」

「しっ信じてるよ！

でも…だけどっ

友達の彼氏と同じなんだもん！

あたしは…捨てられちゃうんでしょ？」

ぽろぽろと落ちる涙。

目を見開いた涼介。


「捨てる？

俺が？あやかを？」

じっと覗きこむ薄茶の瞳。

苦しそうに目を閉じたあやか。

きつく結ばれた赤い唇。