大学で？


いつだ？



唇を押さえる手。

考え込む涼介。


「会わせたい人って

あの人なんでしょ！？

あたしよりあの人の方が好きなんでしょっ」

「何を」

「何も言わないで！

聞きたくないっ」


背をついた自販。

叫びにも似た声。

こぼれ落ちる雫。


「あやかっ

誤解だ！違うっ」

「ちがくないもん！

電話だってかかって来たじゃんっ」

「あやか！」


女神に駆け寄る白い彗星。

厚い胸を押さえた小さな手。


「やだもん！

もう別れるからっ

何も言わないで！」

「なっ

何を言って」

「ちゃんと別れるからっ

だから

涼介さんを好きなままでいさせて！」

「あやか！」


小さな体を抱きしめた涼介。

太い腕の中でもがくあやか。


「やだっ

離して！」

「違う！

俺はあやかを愛してる！」

「うそっ

愛してるのは広瀬絵里子って人でしょ！？」

「違うんだ！

あやか！」


あふれる涙。

熱い小さな体。


「聞きたくないっ」

「あやか！

ちょっと黙って！」


抱きしめて重ねた唇。


「やぁっん！」


まだ暴れるあやか。