すぐに離れた唇。

満足げに微笑む拓海。

とんがったあやかの唇。


「なんでキスっ」

「したくなったから。」

「なっ！」

「目を見たら止まらなくなっちゃったんだよ。」

「なにそれ！」

「怒るな…大好きだ。」

「もぉっ

その声でそんなこと言えば許されると思ってー！」

座ったまま体当たりするあやか。


「はははっごめんってば。」

小さな肩を抱きしめて笑う拓海。


「もぉっ離して！」

「イヤだ。

許してくれるまで離さない。」

「許すから離してよ！」

「しょうがないなぁ。」

薄茶の髪に小さくキスして
女神を解放した太い腕。


「店先でイチャイチャすんな。」
不意に聞こえた声。

「文ちゃんっ」
「げっ親父！」
慌てて離れる２人。

「あやか
久しぶりだな。」
「うんっ久しぶり！
お豆腐は？」
「あるぜ。湯葉もな。」
「食べたい！」
元気に立ち上がる女神。
くびれた細いウエスト。
しなやかな足のライン。
後ろ姿に見とれる拓海。


俺は

こうやってたまに会えるから平気なんだ。


会わなくても平気なんて…

俺はそこまで愛し合えない。



涼介さんと離れちゃダメだよ。