「あの人は…

許したのか…？

お前を…」

目を見開いたワタル。

黙ったまま頷くケンタ。


「あっあやか…」

ケンタの声にハッとした武王の主任。

振り返ると立ち尽くしている女神。


「涼介さんが…？」

「あやか…聞いてたの？」

頷いて揺れる薄茶の髪。

「あやかっ

ごっごめん！

会いに来たりしてっ

でもっ

でも…イヤだったんだ！

あやかと涼介さんが別れるなんて！」

あふれ出る涙。

必死に叫ぶケンタ。

黙ったまま俯くあやか。


「レッドウィンズがＤのバックアップするって聞いて

嬉しくて泣いてたら…

『これでチャラ以上だ。

もう気にするな。』

って…言ってくれた！

涼介さんはっ

今までのあやかの全部を愛してるんだ！！

俺がしたことまで…許せるくらいっ

どうしてそんな人と別れるんだよ！？

こんなのっ間違ってるっ！」

膝を着き嗚咽するケンタ。

呆然と立ち尽くすワタル。

ぽとりとこぼれ落ちた雫。


「愛してるじゃなくて…

愛してた…だもん。」

涙にかすれた甘い声。

ハッとする男２人。


「あやか…」

さらりと揺れた薄茶の髪。