「おーやおやっ
口が滑った！
これ以上ヒントやらん！」
『なっ！
もっとヒント下さいよ！』
「やだねっ
あたし気がついたんだよねー。
涼介と別れた方がいろいろ都合がいいんだよ。」
『つっ都合って！？』
慌てた啓介の声。
火を付けたタバコ。

「Ｄのサポートしなくていいならプロ転向できる。
石川さんから早くしろって言われてるしな。」
『プロ？石川さん？』
「貴之はあやかが免許とったらって言ってて
あやかはあやかでＤが終わったらって言ってて…
のびのびになってたからな。
智幸も待ってるし…
ワタルをメカニックに付けて
武王がメインスポンサーで…」
ぶつぶつと呟く政子。

『ちょっちょっと待って下さいよっ
まだ別れると決まったわけじゃ』
「ケンカして一週間ほったらかしだぞ？
もう終わりだろ。」
『そんなっ』
「涼介には幻滅したよ。
こんな終わりだなんてな…
まぁあやかが意外に平気そうだから別に文句ないけど。」
ため息とともに吐き出す紫煙。

『平気そうなんすか？
あやかは…』
「あぁ。
ワタルがいつもそばにいるしな。
元気だぞ。」
小さく舌打ちした啓介。
またしてもにやりと笑う政子。