「う～わっ」
「ホントにぴったりだぁっ」
「磁石でくっついてるみてぇ！」
「すげぇぇっ」
「さすが女神とハチロクだぁ！！」
現れた赤とツートンカラー。
寄り添ったまま一同の前に止まった２台。
降り立つ２人。
またしても大歓声。

「うるさいなぁ…」
「あやか！お疲れ。」
「たっくんもお疲れ！
楽しかったねっ」
「うん。」
笑顔であやかの頬にキスして
小さな体を抱きしめた拓海。
大騒ぎのギャラリー。

「たっくんっ」
「なんかね…
すごく嬉しかったんだ。
言葉じゃなくて…
心が繋がってる感じがして…」
「あっあたしもした！
繋がってたよね、きっと。」
「うん…繋がってたね。」
微笑み合う２人。
嬉しそうに大きな胸に顔を埋めるあやか。
薄茶の髪に頬ずりする拓海。

「あやか。」
咳払いと同時に聞こえた声。
慌てて離れる２人。

「涼介さん。」
「よくやった。２人とも。
ぴったり同着だったぞ。」
「お～やったね！たっくんっ」
「おぅ！」
ハイタッチを交わす幼なじみ。

「あやか。」
「拓海。」
涼介の後ろに立ち尽くす父親２人。
とんがった女神の唇。
黙ったまま父親を見つめる拓海。