「あやか…今のは…」
「昔の仲間っ
気にしないで！」
這い蹲るように逃げ込む北条。
コソコソと移動するパラソルの山。
冷たい眼差しで睨み続けるあやか。

「あやか…」
「もうっ忘れて忘れて！
今日はＤも車も忘れて２人で楽しむんだもんね！」
無理矢理に笑う女神。

「そうだね。」
「もう板もってきちゃおっ
涼介さんにも教えてあげるよ。」
「うん。」
パラソルへ戻る２人。
波間に浮かべた赤と白。
始まった女神のボード教室。
あっさりと乗りこなした涼介。

「すごいよっ涼介さん！
初めてじゃないでしょ？」
「ハワイで少し…ね。」
浅瀬で交わす会話。
小さく笑った白い彗星。

「ハワイ？
もしかしてノースショア！？」
「あっあそこは無理だよ！
普通のビーチだ。」
慌てて否定する大きな手。

「そっかぁ…
行ってみたいなぁ、ハワイ。」
「行こうか？」
「えっ」
「プロジェクトが終わったら…
２人で。」
少し丸めた背中。
優しい切れ長の瞳。
呆然と見上げるあやか。

「やだ？」
「えっ…ううん！
行きたいっ」
「うん。
俺もあやかくらい上手にならないと。」
「そうだね！」
にっこりと笑い合う２人。