「なんだぁ？」
「白と黒…
ユキと…エボ…Ⅲか？」
聞こえた轟音。
目をこらすワタル。
顔を上げた２つの５人衆。

「エボⅢ？」
「須藤か？」
「誰？」
「さっきまでのレコード保持者。」
冷たく言ったハイウィンズのナンバー２。
ざわつく９人。

「わっスタートした！」
「ホントうるさいな…エボは。」
あからさまに顔をしかめるワタル。

「お前もエボ嫌いなのか？」
「ダメっすね。
原田さんほど見かけに嫌悪感はないですけど…
あの音が耳障りなんです。」
珍しく不機嫌な表情。
不思議そうなケイゴ。

「武田さんも同じこと言ってたな。
確かに変な音だよな。」
「耳がいい人間には不愉快極まりない音なんすよ。
ほんっと…気分悪くなります。」
「おーっ
たかにー早いっ！」
「あやか！」
「あやかさんっ」
突然 現れた女神。
飛び上がる２人。

「でも箱も早いね～
よくくっついてる。」
「箱？」
首を傾げるケイゴ。

「箱っぽいじゃん！
それにしても変な音だね。」
「あやかは嫌じゃないの？
あの音…」
「好きじゃないけど
嫌いじゃないよ。」
「そう？」
じっとあやかを見つめるワタル。
２台の車に釘付けの薄茶の瞳。